特別レポート

福島秋季親睦旅行記(第1日目)

投稿者: 行政書士 面川麻美

2013-11-19


  平成25年11月4日昼すぎ、落葉の季節となった晩秋の福島中通りから、大先輩である根本女史と一緒に太平洋側のいわき市へ向かった。

  目指すはスパリゾートハワイアンズ。06年公開の映画「フラガール」の舞台となった、福島県内で最も大きい温水レジャー施設のひとつ。昭和の時代から続く、福島県民にとってはなじみ深い施設である。

  次第に、車窓から見える49号線沿いの景色が、色づいた紅葉から緑色に変わってきて、いわきに近づいていると実感する。

  車を運転しながら、震災後、いわき市を訪れるのはこれで何度目だろうか?と自問した。

  ここ最近でも仮設住宅や役場を何度か訪れている。

  ――いや、正しくはいわき市を訪問したのではない。

  いわき市にある「双葉町」や「楢葉町」を訪問したのだ。

  福島第一原発事故で失われた生活。未だ抜本的な解決策がなく、元居た場所には帰れないという現実。仮の町という名前の空しさ。

  そんなことをぼんやり考えているうちに目的地に到着すると、すでに首都圏方面からのお越しの先生方が到着されていました。

  しばしの休憩の後、ハワイアンズ支配人の下山田さんが震災当時のことをお話してくださいました。

  地震発生当時の施設の混乱ぶり。情報や物資が全く手に入らない極限状態で、お客様と従業員の計2800名を抱えたまま陸の孤島と化した施設での数日間の避難生活のこと。その後の原発の爆発と4・11の巨大余震のこと。

  経験者が語る生々しいエピソードに、会員から思わず嘆息がもれた――

  そうしたお話を聞くうちに、当時の福島の過酷さがはっきりと脳裏によみがえり、思わず胸が熱くなる。あの当時は皆が不安で、そして、必死だった。

  あれから2年半。傍らのプールサイドから聞こえてくる子どもたちの無邪気な笑い声が、とても尊いようなものに感じられた。

  その後は場所を移し、お待ちかねの楽しい宴会。岸会長から被災地へのエールを込めた力強い挨拶と、池田名誉会長からも温かいお言葉を頂戴しました。

    また、白門出身の斎藤一彦ハワイアンズ会長からはお祝いのお酒を頂戴し、宴会に華を添えるものとなりました。

  宴会では、おのおの余興を兼ねた自己紹介をしましたが、どの先生も歌がお上手なことに驚きました。東京から、シテを終えて駆けつけて下さった栗原勇晨先生は素晴らしい謡をご披露くださいました(左写真)。また、福島会から参加の降矢正美先生は、懇親会当日の午前中に撮影したという新地町の映像を上映してくださいました。同じく福島会の根本正子先生には、資料付きで福島の現状について、ご説明していただきました。

  そうこうするうちに、にぎやかな歓談の時間はあっという間に過ぎ、フラダンスショーの時間が迫っているということで、自己紹介は途中終了し、二次会に持越しとなりました。

  宴会場所から移動した先のメイン施設内は1年中28度という温かさで、全員アロハシャツとムームーに身を包み、気分は常夏のハワイ。植えられている熱帯植物も気分を盛り上げます。舞台上の生バンドがハワイアンミュージックを奏で始め、ショーが開演。綺麗なフラガールたちの優雅で可憐な踊りと男性陣の勇壮なファイヤーダンスに、しばし日常を忘れ、うっとりと癒されました。

  ショーの後は、自己紹介の続きも兼ねて別室で二次会です。のど自慢が集うカラオケは遅い時間になっても盛り上がり続け、いわきでの楽しい夜が更けていき、最後は全員で肩を組んで校歌を熱唱して、第一日目がお開きとなりました。

  最後になりましたが、この場をお借りして、被災地に実際にお越しいただきましたことを感謝申し上げます。ありがとうございました。                        

    

(行政書士 面川麻美) 



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